京の伝統工芸歴史と技術が織りなす職人業
金属工芸とは、金・銀・銅などの金属材料に様々な細工や加工を施す工芸品のこと。「京釜」、「鏡」、「仏具」、「建築金具」、「刀装金具」、「山鉾」、「神輿」が代表です。
京都の金属工芸の歴史は古く、平安時代の仏像制作まで遡ると言われ、その技術は「鋳金、鍛金、彫金、錺金、象嵌、七宝」の6つに分かれています。
金属製品自体の歴史は、弥生時代の前期にまで遡ります。奈良時代には、仏教が盛んになるとともに寺院や仏像が相次いで作られます。それに伴い金工技術も発展。平安時代になると金工師たちが奈良から京都へ移り住んだことから、多くの金属製品が京都で作られるようになりました。
室町時代、中国から鋳銅とは異質の色合いをもつ花瓶・香炉や燭台などが伝わり日本の金属工芸に影響を与えました。桃山時代には京都の釜座に鋳物師数家が集まり、鍋や釜などの日常用品と共に鏡なども作っていました。
他にも武器や甲冑、刀剣などの装飾が著しく発達し、その技術は江戸時代まで伝承されていきます。古来の美術的価値の高い金属工芸品は現代にも数多く残されています。