京の伝統工芸歴史と技術が織りなす職人業
京表具は、書画の軸装や額装、ほかに書画を屏風、襖などに仕立てる表装加工技術のこと。平成9年に伝統的工芸品に指定されただけではなく、平成19年には地域団体商標登録されました。
表装自体の歴史は古く、仏教の伝来とともに中国より伝わりました。日本の始まりは平安時代にまで遡ります。当時、表具は経や書画に布地を貼り補強するためのものでしたが、のちに鑑賞や保存のために書画などに紙や布等で縁取や裏打ちなどをして、掛け軸や額に仕立てました。
他にも屏風や衝立、襖は部屋の仕切りや目隠し用として一般家庭の日常生活に使われていきます。
京都の湿度が高く、盆地で風が少ない気候条件が表具つくりに適していたことや、美の環境や洗練された美意識に支えられたこともあって発展していきました。また、床の間の登場や茶道が盛んなっていった背景もあり、茶人たちの美意識を反映した表具ができました。
表具といわれるものには「襖・壁装」など日常生活で使われる実用的な種類と「掛け軸・額装・屏風・画帖・巻物」などの美術工芸品なもの、他には高度な技術と豊かな経験が必要とされる「古美術」の修復まで含まれます。