京の職人衆伝統を守り、今に挑む。
京扇子・京うちわ製造卸 トミヤマ
京扇子、京うちわ他、和小物各種製造卸行。京都府認定「京の老舗」。京都大学卒業後、証券会社にて4年間ほどサラリーマンを経験。その後、100年続く家業「トミヤマ」を継ぐ。和小物全般の製造と卸業の双方に精通していることから幅広い人脈を持ち「京都式」におけるプロジェクトリーダー、コーディネーターとしての役割を担う。2015年に「京都式」プロジェクトを本格化させるべく、株式会社京都式として法人登記し、代表取締役に就任。
京都の伝統を次に伝えるためにチャレンジしたい。
京都式のプロジェクトはとてもチャレンジングなものだと思っています。もともと京扇子や京うちわというのは絵を見せる、という要素が強いんですね。ですから、そこにアニメやマンガを載せさせてもらう、というのは面白いと思ったんですわ。 扇子やうちわは、需要が減っているという足下の現実がありまして、ここから新しい需要にアプローチできる可能性を感じます。やはり和服や浴衣を着る機会っていうのは年に何回かしかないわけですよね。これはどうにかしないといけないなぁと考えていたところなんですよ。
私は「京都式」のプロジェクトの橋渡し役。
私は、京都で京扇子や京うちわの製造卸をやっています。父親が亡くなって後を継ぎましたので正直私自身、勉強は続けてますけど職人とはいえません。うちわひとつとっても、竹を細かく裂いて骨にする職人さんやそこに貼る図柄を描く職人さんという風に京都の工芸品は分業でなりたっていまして、私は、そういったいろいろな職人さんにお願いをして扇子やうちわを作ってもらい、各所に卸をしております。
プロデューサーというとなにかカッコ付けているみたいですが、手配師といいましょうか。ですから京都におられる職人さんがちょっとずつでもいいから、今までとは少し違うチャレンジングなことができて、なおかつ若い担い手が増えていくような仕事を生み出していきたいと思っています。
京都の伝統工芸品は京都の職人さんがあってこそ。こういったことが京都の伝統を守ることにつながるんじゃないかと考えているんです。また、私はそういう仕事ですので、この京都式では印染や金属工芸や京表具や京念珠など他のジャンルの職人さんたちの橋渡し役みたいのをやらせてもらっています。
京都の伝統工芸と
マンガ・アニメに新しい
魅力を生み出したい。
京扇子や京うちわに乗せる絵柄は時代によって、それぞれ新しいものが載ってもいいと思うんですよ。アニメやマンガは現代の浮世絵だと考えると面白いと思うんです。浮世絵も当時の時代を表現する手法だったわけですし。そんな新しい絵を京扇子、京うちわという日本の伝統工芸に組み合わせたら、別の魅力が出ると思っています。
浮世絵のそれと同じように、アニメやマンガ作品の絵をそのまま京扇子や京うちわに載せるということは、本や雑誌やポスターとはまた違ったフォーマットといえますから、別の魅力が引き出せると思います。京都の伝統工芸という“様式”は守ってきましたから、元のアニメやマンガの様式もまた守りつつ。そこへの敬意を忘れちゃいけないとも思っています。
京都の伝統の本物を
お届けします。
私たちは京都で“本物”の京都の伝統工芸を担ってきた自負があります。ですから、これから出す京都式のアイテムは、“本物のマンガとアニメ”のために“本物の京都の様式”を守ったもの、京都の伝統工芸の良さがあるものです。それは手仕事だったり、素材だったり、手法だったり、形だったり。そうして元のアニメ、マンガのファンの方に「京都式」の工芸品を手にとってもらって、少しでも京都の伝統工芸を知ってもらえれば本望です。